旅館の大浴場・木工事改修

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(※記事内の写真はイメージです)

新築から20年、湿気による腐食が進んだ大浴場の改修工事です。
床、壁、天井、そして繊細な格子仕切りに至るまで、すべての造作に「ひのき」を使用。
水回りという過酷な環境下で傷んだ木材を見極め、伝統的な大工技術を駆使して、旅館の品格を損なうことなく美しく、そして強く再生させました。

 施工のポイント

  • 「総ひのき」の美しさを取り戻す精密な技術
    床、壁、天井に加え、空間を仕切る無双窓(目隠し)まで、すべてをひのきで仕立て直しました。
    ひのきは水に強い特性がありますが、その分、扱いには高い技術が求められます。
    細部の造作一つひとつにこだわり、熟練の職人がミリ単位の調整を行うことで、旅館らしい凛とした空気感を再び作り上げました。

  • 巨大丸太の命を繋ぐ「腐食部分の差し替え・根継ぎ」
    本事例の最大の難所は、浴室を支える巨大な丸太柱の改修です。
    湿気で腐食してしまった柱の根元部分のみを切り取り、新しい木を継ぐ「差し替え(根継ぎ)」を行いました。
    構造体を支えながら、複雑な形状の接合部をぴったりと合わせる作業は、極めて高度な技術を要します。

  • 解体後に決まる「現場判断」の重要性
    古い木造建築の改修は、解体して内部を露わにするまで正確な状態が分かりません。
    「どの程度まで木を削るか」「どこで補強を止めるか」といった判断は、画一的なマニュアルでは不可能。
    長年の経験に基づき、現地の状況を即座に読み解いて作業内容を決定できる、ベテラン大工だからこそ完遂できた現場です。